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夢のジャパネット静

静 「ジャーパネットジャーパネット~」
基祐「……?」

いい加減夜も更けて、そろそろ寝ようかという時間帯。とつぜん静が耳につく歌詞を口にしだした。

静 「夢のジャパネットしずか~」
基祐「テレビつけっぱなしだったか。ポチッと」
静 「ひゅう~ん……」
基祐「さて、寝よ寝よ」
静 「ちょっ、ちょっと待ってください!」

おかしいな、電源切ったはずなんだけど。

静 「お客さん、チャンネルはそのまま!」
基祐「電源切ったんだけど」
静 「いいから」

設定無視で来やがったなコノヤロウ。



静 「さて、今回お届けする商品はこちら!」
基祐「もう寝るんだけど……」

甲高い声で言うと、ふすまの影に手を伸ばす静。
その手がつかんだものは──

夜 「え、な、なに? なんなの!?」

俺の姉だった。

基祐「人身売買……?」
静 「夏も本格的になり、暑い暑い毎日、寝苦しい夜。エアコンをつけないと暑くて眠れないけど、エアコンをつけるのは嫌だ……そんなときってありますよね?」
基祐「あ、そのまま続けんの?」
静 「そんなあなたにご紹介しますのが、こちら『神瀬夜、24年製』でございます!」
夜 「はぁ……?」
静 「寝苦しい熱帯夜にこちらをご使用いただきますと、エアコンが苦手なかたにもとっても優しく、爽やかな眠りをもたらしてくれる画期的な商品です!」
基祐「ふうん、どうやって?」
静 「ご使用方法はとっても簡単です。ご購入いただきますと『神瀬夜』が自動的に皆さまのお体にくっつきますので……」
夜 「え? わっ!」
基祐「抱きつかせてどうすんだ。余計暑いぞ」
静 「皆さまの手でも足でも、お好きなところで結構です。こうして──っ!」

バキッ

夜 「ひぎい!」
静 「思いっきりどついて、体から引き剥がしてください。そうすると……」
基祐「……まぁ、確かに離れると涼しくなるな」
静 「暑さから解放され、気持ちの良い眠りにいざなってくれると、こういう商品でございます」
基祐「……わざわざ暑くしてから引き剥がすって。完璧ムダ骨じゃん」
静 「まぁ、単純なストレス解消とも言います」
基祐「ぶっちゃけやがったな」
静 「都合のいい暴力のはけ口とも言えます」
基祐「ぶっちゃけすぎ!」

話さないほうがいいこともあるんだぞ。

静 「そして気になるお値段ですが、我々も頑張らせていただきました。メーカーさんと交渉に交渉を重ね……」
基祐「メーカーって……」
静 「今回特別にこの価格でご用意させていただきました! じゃん!」
基祐「……」
静 「なんとこの価格! 今テロップに出させていただいておりますが、通常この価格はありえませんよ!」
基祐「見えねぇよ!」
静 「しかも24年製ですからね。24年製! 我々としても今回は特別ということですので、次回はこの価格でお届けできない可能性もございます。是非ですね、このチャンスを逃さないようご検討ください」
基祐「だからいくらなんだよ……」
静 「ただしこちら、大変申し訳ありませんが、限定数500とさせて頂きます。ご了承ください」
基祐「500!?」

メーカー頑張ったな、オイ……!

静 「ではですね、こちらのストレス解消&快眠誘発人柱『神瀬夜、24年製』、限定数500で……」

静 「「「ご注文、お待ちしております!」」」
基祐「……なんで今、声が重なった?」
静 「……はい、それでは次の商品のご紹介です」
基祐「続くのかよ!」
静 「先ほどの『神瀬夜、24年製』ですが、大変ご好評をいただいているようで現在お電話が繋がりにくくなっております。お手数ですが何回かですね、かけなおしていただけると幸いです」

静 「また深夜ですので、おかけ間違いにはご注意ください」
基祐「俺の睡眠は考えてくれないのか?」
静 「それでは次の商品はこちら!」

じゃーん!

基祐「……今の効果音どっから流れた?」
静 「『鹿島静、17年製』のご紹介です!」
基祐「テメーか!」
静 「こちらも大人気で、全世界で500万以上も売れている、もうスーパーヒット商品なんですねぇ!」
基祐「すごっ!」

なんて言うかもう、メーカーさん頭が下がります。

静 「なっかなか入荷が確保できない状態ですが、今回なんとか用意させていただきました。ではさっそく機能の方、紹介させていただきます」
静 「まず朝ですが……『基祐さん、起きてください。……ちゅっ』、こんなふうに優しく眠りから覚ましてくれる、こんな機能です」
静 「もちろん朝食の準備もオッケー。和洋中、あなたの好みに合わせて2000ものレシピを自在に操ります」
基祐「……」
静 「まだ目の覚めきっていないあなたに、背中からやさしくジャケットを着せてくれる。こんな機能も付いているんですね。かゆいところに手が届きます!」
静 「そしてお昼ごはんのお弁当を持たせてくれます。もしあなたが玄関に置き忘れてしまった場合でも、会社までしっかり届けてくれます。嬉しいですね」
静 「しかもキャラ弁のレシピも搭載! すべて食べられる食材で、目にも美味しく作り上げます。そのレパートリーは、リラックマから爆裂ジード団まで何でもござれ!」
基祐「食欲失せるよ……」
静 「あなたの帰宅後は、お風呂でも夕食でもお好きなように。すべて完璧に整えてあります。帰ってきたら全て準備がすんでいる、これって幸せですよね」
静 「もちろん夕食のレシピも、あなたのお好みに合わせて! スーパーのチラシを吟味し、足で稼いだ安価で美味しい食材が食卓を彩ります」
基祐「くそっ、深夜にそんな話すると腹減ってくるだろ……」
静 「そしてご夕食後、お風呂にも入り、夜も更けたころ……」
基祐「……」
静 「こちらの機能は放送コード上ご紹介できませんが、万ッ全ッです! 掻い摘んでご説明いたしますと……」
静 「○○○で△△△な□□□を×××が☆☆☆し、それはもう天にも昇る心地ですッ!」
基祐「思いっきり説明してんじゃねぇか!」
静 「そしてコトが済んだ後は、疲れたあなたの体をいたわるように優しく眠りに導いてくれます。ピロートークも362もの話題を備えておりますので、ほぼ年間通じて飽きることもございません」
基祐「どうせなら365備えろよ」
静 「……とまぁ、これほどの機能を備えているわけですが、そうなると気になるのはやはりお値段ですよね」
基祐「警察が気になるよ。人身売買だろうが」
静 「ご安心ください。ジャパネット静の特別ご奉仕価格でのご提供となります。……こちらっ!」

じゃーん!

静 「1億5000万円でのご提供となります!」
基祐「死ねハゲ」
静 「ただしこちら、ご契約者様との交渉次第でお値段の変更が可能です。まずはお電話を……」
基祐「あ、ふすまの影にラジカセがある。あそこから音出してたのか」
静 「まずはお電話を!」
基祐「寝よ寝よ……ふぁ」
静 「ま~ず~は~お~で~ん~わ~を~っ!!」
基祐「いででっ! 放せっ!」
静 「わかりました、じゃあ……100万円で!」
基祐「……」
静 「10万円! ……1万円! ……5000円ッ!」
基祐「……」
静 「1000円ッ! 100円ッ! えぇい、5円ッ!」
基祐「いらね」
静 「なんでっ!? たったの5円くらいいいじゃないですか!」
静 「たったの5円で、朝起こしてくれてご飯作ってくれて、お風呂沸かしてくれて夜の世話までしてくれるんですよ!? わかりやすく言うと奴隷ですよ!」
基祐「完ッ全に違法じゃねーか! つーかなによりだな」
静 「は、はい」
基祐「現時点でそれ、姉さんが全部やってくれてるし」

静 「……」
基祐「……」
静 「フリーダイヤル0120-444-444~」
基祐「それ違うとこだから」
静 「以上、快適ショッピングスタジオでした~……」
基祐「あぁ、これ深夜枠じゃなかったんだ……」
静 「おやすみなさい……」
基祐「お、おう」

基祐「……」
基祐「…………」
基祐「……なんで俺が罪悪感感じなくちゃいけねーの?」
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  1. 2011/05/07(土) 19:24:55|
  2. SS(落葉の夏・B面)
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