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基祐の分配法則

静 『基祐さーん、ちょっとコレつけてみませんか?』
基祐『あ?』
仕事疲れの肩をこぶしで叩いていると、静が妙なものを見せながら近づいてきた。
基祐『なにソレ』
静 『ピップエレキバンみたいなものです。首周りに貼ると、コリに効くらしいですよ』
基祐『ふぅん……。そんならもらっとく』
静 『あ、じゃあ貼ってあげますね。シャツ脱いでください』
基祐『お、おう……』
静 『ぬふふ……』



──それからしばらくして。

基祐『うーん、ホントに効いてんのかコレ。全然肩こりがとれねぇ……』
相変わらず肩は重いし、暖まるような感じもしない。妙な吸いつき感だけはあるが。
基祐『……いいや、外しちまおう。邪魔なだけだ』
シャツの襟元を下に引っ張って、首もとに手を伸ばす。
基祐『よっ……と? あれ、なんだこれ。取れねぇぞ?』
引っ張ってみたが、どうしてだか外れない。ピッタリ肌に食いついてるような……。
基祐『ふっ、ぬ! ぬぬぬ、いっ、いたっ、あだだだっ!?』

きゅぽん!

基祐『はぁ、はぁ……取れた。なんでこんなに吸着力だけ強いんだ──』
って、ん? なんだこりゃ。
基祐『……タイルに貼る吸盤みたいだな』
エレキバンモドキの裏側を見ると、そのまんま吸盤みたいな構造になっている。
これが皮膚に貼りっ付いてたワケか。
基祐『こりゃ剥がすのも手間だぞ。妙なモン付けてくれやがって静のヤツ……!』
──そうして一人俺は、スネ毛を抜く時みたいな顔をしながらエレキバンモドキを剥がしていった。

──その後。

夜 『基祐ー?』
基祐『あー?』
寝そべったままテレビのチャンネルを変えていると、姉さんの声が聞こえた。
夜 『お使いに行ってきて欲しいんだけど──っ!?』
と、俺の姿を見るなり、姉さんの表情が一変した。
夜 『……っ! あれだけ注意したのに、また行ったの!?』
基祐『え?』
夜 『今度はどこのお店!? 見せなさい! 名刺は? マッチは? どこに隠したの!』
基祐『え、な、なに?』
夜 『しらばっくれるとはいい度胸じゃない……そんなにわかりやすい跡をつけておいて、ぬゎぁんて白々しい!』
基祐『跡って……?』
姉さんの視線をたどると……えー、俺の首もとに注がれてるみたいだ。
ん、首もと?
基祐『あっ!?』
夜 『ひいふうみいよぉいつむぅ……よくもまぁそんなにたくさん、タコの吸盤にでも張り付かれたようなマークを付けたものね!』
基祐『い、いや違う! ……いや違わないか? ホントに吸盤なんだ!』
夜 『こんな山奥のどぉこにタコがいるのよ!』
基祐『あー違う! タコじゃなくてだな、その吸盤は……!』

静 『あたしです!』

夜 『鹿島さん……』
そこへ、どこかの豪腕議員のような顔をしながら静が現れた。
夜 『あなたが何だって言うの?』
静 『そのマークは、薄暗いお店で付けられたものじゃないって言ってるんです』
基祐『そ、そうなんだよ。ほら、コイツが証明してるじゃん』
静 『あたしが付けたんです!』
夜 『なんですって!?』
基祐『え……?』
なんか、意味が違っちゃってきてるような……。
夜 『テキトーなこと言わないで。基祐があなたにそんなことさせるわけないでしょ!』
静 『基祐さん、あたしウソついてませんよね?』
基祐『え……ま、まぁ、うん。そう、なのかな』
夜 『なっ!?』
静 『ほら! つい基祐さんの迷惑も考えずにあたしが……怒るならあたしを怒ってください』
夜 『ぬぐっ……!』
静 『あれー、怒らないんですかー?』
夜 『おっ……』
姉さんは、言葉が終わらないうちに卓上にある来客用灰皿を掴むと。
夜 『覚えてなさいっ!』
強烈なストレート回転をかけながら、そいつを思い切りぶん投げた。
静 『危ないっ! 基祐さん、あたしの後ろに隠れて!』

サッ!

ドカン!

基祐『ギャアッ!?』
静 『基祐さん……盾になってあたしを守ってくれるなんて!』
基祐『テメーが軌道上に突き飛ばしたんだろーがッ!』

──その後。

基祐『えーと……何かないのか、三時のおやつは』
夜 『チョコがあるわよ。はい』
基祐『おお、悪いね』
夜 『カカオたっぷりの、甘さひかえめタイプよ』
基祐『お、おう。でも「カカオ98%」って、ほとんどカカオそのものじゃ……』
夜 『それと、賞味期限が今日までだから、できたら全部食べちゃって』
基祐『わ、わかった』
夜 『あとこれも。柿ピー』
基祐『柿ピーか。そうだな、塩気もあったほうが……って、なんじゃこりゃ!』
柿ピーって、大体7:3くらいで柿の種優勢のはずだよな。
基祐『9:1でピーナッツばっかじゃん!』
夜 『そういうのが売ってたんだから、作ったメーカーに文句言いなさい』
基祐『買わなきゃ済む話だろ……』
うーむ……なんともまぁ、胃にキそうなおやつだな。
っていうか、チョコに賞味期限とかあるの?

──そして夕食。

夜 『晩ご飯はキムチ鍋よ』
基祐『真夏にキムチ鍋!?』
夜 『何いってんの。今は1月でしょ』
基祐『いや、落葉の夏は「ず~っと真夏のちょい鬱コメディ」じゃ……』
夜 『なに訳のわからないこと言ってんの。嫌ならいいのよ』
基祐『わ、わかったよ……食うって』
夜 『基祐の分だけ、唐辛子が倍だからね』
基祐『なんで俺だけ!?』
まぁ辛いのは別に嫌いじゃねぇけどよ……。

──さらに夕食後。

夜 『デザートよ』
そうして、嬉しそうに姉さんが運んできたのは。
夜 『ホットココアと、チョコレートパフェ』
基祐『うっ……』
なんじゃこりゃ……ココアは液体というか半固形だし、パフェにいたっては完全に黒一色だぞ。
夜 『嫌いなの……?』
基祐『そういう問題じゃ……』
夜 『デザートが嫌い……ひいてはお姉ちゃんが嫌いなのね!?』
基祐『……』
妙に面倒になった俺は、黙ってコップに口をつけ、スプーンをつかんだ。

──そうして、なんとか完食すると。

基祐『ぐ……腹が、体が甘ったるい……!』
それに、なんだか頭に血が昇ってきたような……。
基祐『……ん? ゲッ、は、鼻血が出てきたっ』
それもそうか。カカオそのものに大量にピーナッツ、激辛キムチ鍋に、ほぼチョコレートのカタマリパフェ&固形ココア。
初めての経験だが、当たり前かも。
夜 『今よっ! 鹿島さーん、ちょっと来てー!』
静 『──はぁい?』
姉さんが声を張り上げると、二階から静の声が帰ってきた。足音も近づいてくる。
夜 『そして基祐、こっちを見なさい!』
基祐『あ゛?』
鼻声と共に視線を上げると……。
基祐『なんでスカートめくり上げてんだ?』
夜 『いやん! エッチ!』
基祐『へ?』
静 『なっ、何やってるんですか基祐さん!』
基祐『な、なに? どうかした?』
そこへちょうど静がやってきて、金切り声にも近い奇声を上げた。
夜 『もう! パンツ見て鼻血垂らしちゃうなんて、よっぽどお姉ちゃんのことがスキなのねっ!』
基祐『いや、これはチョコと唐辛子とピーナッツ……』
静 『パンチラで鼻血なんて、そんなはずが! そんな布切れのどこにそんな魅力があるっていうんですかっ』
夜 『ふぅ……まだ信じられないのね。哀れなコ。じゃあトドメよ!』
夜 『──あっ、あんなところにUFOが!』
静 『え、どこどこ!?』
夜 『基祐、これを飲みなさい! 三倍濃縮カフェインコーヒー!』
基祐『ゲボボボッ!?』
夜 『そしてすかさず、チラッ。ブラ紐見せっ』
静 『──UFOなんていないじゃないですか……って、今度はブラ紐見て鼻血出してる!?』
基祐『こ、これはコーヒーで……』
夜 『わかった? あなたがどんなにマーキングしようと、しょせんはあなたが無理やり迫っただけ。わたしのほうが上なのよ』
夜 『それに、基祐はロリコンだし』
静 『ウソォ!?』
基祐『……』
姉さん、自分がロリだって認めたのか?
静 『くっ……こうなったら、ドリームカクテルマグマ(マグマのようなALC度数を誇る)を無理やり3杯くらい飲ませて、前後不覚になったところを襲って既成事実を作るしか……!』
夜 『甘いわね。そんなに飲ませたら結局不能になるじゃない。血流が異常に良くなる薬を盛ったほうが得策ね』
静 『ぬぅ~! それならあたしなんて……!』

基祐『お前らいい加減にしろ!』

夜 『……』
静 『……』
基祐『俺は一人しかいねーの! んな無茶なことに付き合わされてたまるかっ』
基祐『それより二人で仲良くやっていく方法でも考えやがれ!』
夜 『……それもそうね』
静 『え?』
夜 『ねぇ、こうするのはどうかしら』
夜 『基祐の右側はわたし、左側は鹿島さん。平等に分けるの』
基祐『~~~っ!』
静 『それだったらあたしも右側がいいです! 基祐さん右利きだし』
夜 『でも、左側のほうがぎこちない動きが楽しめて、いいかもしれないわよ?』
静 『そうかなぁ……じゃあこうしましょう。上半身があたしで、下半身が夜さん。これでも公平のはずですよね? 顔はあたしがもらいますケド』
夜 『あら、いいの? 下半身もらっちゃって』
静 『足しかない下半身より、顔と手がある上半身のほうがいいに決まってます~』
夜 『あら。足以外にもあるのにね。ちゃぁんと楽しめるところが』
静 『……あ』
夜 『これから毎晩眠れなくなりそうね。くふふっ』
静 『……っ!』
夜 『という問題もあることだし、もっと細かく部位ごとに分けてジャンケンで決めましょうよ』
静 『そうですね。じゃあ早速、じゃーんけーんぽんっ』
夜 『ぽんっ』
静 『やった、勝った! それじゃあえーと……まず鼻をもらいますね』
夜 『くっ、マニアックなところを持っていくわね。しかしいいところだわ。……じゃあわたしは右目で』
静 『次行きますよ。じゃーんけーんぽん』
夜 『わたしの勝ちね。じゃあ心臓はいただくわ』
静 『あーいいなぁー。いいもん。じゃああたしは左肺をもらいますから』
夜 『この調子で分配していきましょう。じゃん、けん、ぽいっ!』

……

多々『なんだいもう、ピンポンピンポンうるさいなぁ。今出ますってば』
ガラガラッ
多々『はい、どちらさま……って、なんだ。基祐くんか。どうしたの?』
基祐『た、助けてくれ! 奴らに捕まったら細切れにされちまう!』
多々『なっ、ヤクザと交通事故でも起こしたのかい!?』
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  1. 2011/02/10(木) 02:06:00|
  2. SS(落葉の夏・B面)
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