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純さん初登場

──とある晩。

夜 『はい、終わり』
基祐『あぁー、気持よかった』

耳かきを終えて、姉さんの膝から頭を上げる。

静 『ねぇ基祐さん、ゲームしましょうよ、ゲーム』
基祐『なんの?』
静 『これです! ツイスター!』
基祐『……』
静 『夜さんも一緒に、ホラ』
夜 『えぇ』


……

静 『むぐぐ……基祐さん、足どけてください……!』
基祐『無理だよ、今はこっちも……』
夜 『あっバランスが……基祐、助けて!』
基祐『お、おうっ!』
夜 『きゃっ』
静 『わぁー、すごい体勢だぁー』
基祐『つ、疲れる……!』

基祐(でもこれって、結構幸せな状態?)
基祐(最近は姉さんと静も、特にイザコザないし、このままイケば……)

ピンポーン

基祐『ん? 誰だ、こんな時間に』
夜 『ちょっと見てくるわね。よいしょっ』
基祐『あ……』

……

山入端『夜分に失礼』
基祐『おっさん!?』
静 『どうしたんですか? こんな時間に』
山入端『それが実は……』

……

基祐『奥さんに実家に帰られたぁ!?』
山入端『あぁ、ご丁寧に書置きまで残してな』
山入端『……純(スミ:山入端さんの奥さん)のヤツ、そんなにわたしのヘソクリの額が気に入らなかったのか』
基祐『いくらなんだよ……』
山入端『しばらくすれば帰ってくると思うのだが……すまないが、それまでここに泊めてもらえないだろうか?』
基祐『え……なんでわざわざ?』
山入端『純め、寝室の鍵をかけて出て行ったんだ。寝床がない状態でね』
基祐『はぁ……でもよ、ここじゃなくても神社とかあるじゃん。あっちのほうが全然広いぜ』
山入端『多々くんがいないんだ。なんでも、東京まで一冊500円の漫画をたくさん買いに行くとかなんとか……』
基祐『はぁ……?』
山入端『とにかくそういうわけなんだ。少しの間、世話になれないだろうか。もちろん礼はしよう』
基祐『そういうことなら……まぁ俺はいいけど』

ということで、思いがけず山入端さんと寝食を共にすることになったのだが……

静 『基祐さーん、ちょっとコレ開けてもらえませんか?』
基祐『ん? 「ごはんですよ」のフタか。どれ、貸してみ』
基祐『フンッ……!』
基祐『~~~』
基祐『だはぁっ、開かねぇ! 固ぇなコレ』

山入端『私がやろう』

基祐『おっさんが?』
山入端『こういうのは温めると開きやすくなる。それと、キャップに輪ゴムを巻くと滑りづらくなるぞ』
山入端『ヌンッ!』
静 『わぁ、いっぱつだ! ありがとうございます』
山入端『なに、お安い御用だ』
基祐『……』

……

夜 『ねぇ基祐ー、換えの蛍光灯持ってきてくれなーい?』
基祐『あぁ──これでいいか?』
夜 『うん、ありがとう。付け替えてっと……あれ? 点かないわね』
基祐『本当だ。不良品か?』

山入端『点灯管ではないか?』

夜 『山入端さん』
山入端『随分黒くなっていたし、点灯管の寿命かもしれん。基祐くん、予備は?』
基祐『ないなぁ、そんなの』
山入端『では私がひとっ走り買ってこよう。ついでに、この際だからLEDにしてしまおうか』
基祐『……』

……

山入端『──よし、これでどうかね?』
夜 『スイッチオン……あら、点いたわ』
山入端『やはり点灯管だったな』
夜 『ありがとうございます。──でも、前より随分明るいような?』
山入端『LEDに変えたのでね。消費電力も少ないし、30Aのこの家では、案外重宝するかもしれんな』
夜 『それに、スイッチのグラグラも直ってる』
山入端『ついでに直しておいた。接触も悪かったようだから、余った被覆をむいて挿しなおしておいたよ』
夜 『まぁ、そこまでしていただいて。どうもありがとうございます』
山入端『いやなに、ほんのお礼だよ』
基祐『……』

そして数日後……

静 『山入端さーん! これはどうしたらいいですか?』
夜 『山入端さん、これなんですけど……』
静 『それと、ちょっと宿題でわからないことがあってー』
夜 『わたしも、所得税のことでお聞きしたいことが』
静 『山入端さん』
夜 『山入端さん』
山入端『まぁまぁ、待ってくれ。一人ずつ順番に……』
基祐『……!』

どうしてこうなった? この家の支配者は俺じゃなかったのか?
つい二三日前まで、姉さんの膝の上で優しく耳掃除してもらったり、女二人とくんずほぐれつツイスターやってたのは、俺じゃなかったのか!?

基祐『オッッッサン!!!!』
静 『きゃっ!』
夜 『なによ基祐。大声出して』

基祐『なにも言わずに、俺と勝負しろ!』
山入端『勝負?』
基祐『そうだ! 男と男の真剣勝負だ!』
山入端『……事情はよくわからんが、いいだろう。何をするんだ?』
基祐『なぁに簡単なことだ。コイツで腕っぷしを競うのよ!』

ドンッ

山入端『腕相撲……確かに簡単だな』
基祐『いっちょう頼むぜ、本気でな!』
山入端『よし』

ガシッ

基祐『レディ……ゴッ!』
山入端『フンッ!』
基祐『グッ……!』

静 『互角ですね……』
夜 『でもこれ、なんの勝負なのかしら』

基祐『でぇぇぇい……!』
山入端『くっ……!』
基祐『ぬりゃああああっ!』

ズンッ

基祐『っしゃあ、勝ったぜ! 見たか姉さん、静! 俺の男前っぷりをよ!』
夜 『なに言ってるの。当たり前じゃない』
基祐『エ?』

静 『基祐さんは20代でしょ。山入端さんは50代。勝って当たり前じゃないですか』
夜 『むしろ、やっとの思いで勝ったなんて……はぁ、情けない』
基祐『えぇっ!?』

山入端『待ってくれ、みんな』
基祐『な、なんだよ今度は』

山入端『基祐くんは「本気で」と言ったな。すまない』
山入端『実はわたしは左利きなんだ』
基祐『……え?』

ずんっ

山入端『もう一度勝負させてくれ。今度こそ、本気でな』
夜 『山入端さん……利き腕じゃないのにあそこまで? すごい……!』
静 『すごーい、とても50代には見えない逞しい腕……なんて素敵なの』

山入端『さぁ、もう一勝負』
基祐『……!』

……

(山入端邸)
ガラガラッ

純 『ただいま帰りました……あなた、いるのかしら』
純 『あなた……重信さん? いらっしゃらないの?』
基祐『うぅ……』
純 『きゃっ、基祐さん!? どうしてウチにいらっしゃるの?』
基祐『純さん……しばらくここに泊めてくれませんか……』
純 『はぁ……?』

終わり
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  1. 2011/01/06(木) 01:06:31|
  2. SS(落葉の夏・B面)
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